紫キャベッツの調理法:
ご常連の熱心な生徒さんからのご質問にお返事を分かる範囲でさせていただきます。
紫キャベツは時々八百屋さんで見かけます。独特な色と固く結球していて料理しがいのある洋食には持って来いの食材です。
CABBAGEの語源はフランス語の
CABOCHE で口語体でいう頭を意味します。
同じ仲間には意外にもブロッコリ、カリフラワーなどなどが入ります。 芽キャベツは言うに及びません。
アメリカのスーパーで見かけるキャベツは色白で固く巻かれていてずっしり重い物が主流です。コールスローにする時もそのまま千切りにしないと、簡単に剥がれてくれません。
ご質問の紫キャベツは、どちらかと言うとアメリカで市販されている一般的なキャベツに近い重さ、巻き方です。 ヨーロッパの方の料理でザワークラウトに似た調理法で食されます。
むらさきの色素が独特です。成分はアントシアニンでpHが低く水素イオンが多いため強酸性の色素を持っています。
リトマス試験紙の実験並みに色素の変化はすさまじく、pHによってどんどん変化するのはまさしく化学の世界です。
質問の中にありましたが、スープなどに入れますと色素が流出して変な色になってしまいます。
生食でサラダでいただくか、(バリバリし過ぎて食べにくいですけど~) 又は以前のクラスでしましたように BRAISE して加熱後に酸性の食材や調味料をたくさん加えて色止めします。
BRAISEするには千切りにした紫キャベツを炒めてからリンゴやワインビネガー砂糖、キャラウエイ・シードなどと一緒に煮込んだですよね。
コールスローの場合もワインヴィネガーやパイナップルのみじん切りと和えたりします。
このアントシアニンが魅力の一つなのですが、扱いを間違うとガックリした結果になってしまいます。 しっかりと化学を踏まえたうえでの調理法が成功への鍵です。
紫色の色素は今あるかどうか知りませんが、ジュースの色づけになっていると聞いたことがあります。(懐かしい、ファンタグレープだったと思う・・・) 楽しい話題でした。ご質問ありがとうございました。